著作権保護期間の延長問題を考える国民会議についてのクリップ
既に各所で報道されていますし、またいろいろなブログでも紹介されていていまさら感が漂っていますが国民会議について出揃ったところでまとめクリップです。
まずは国民会議の本家サイト
12月11日(月)に東京ウィメンズプラザ円形ホールにてシンポジウムがあるそうです。
シンポジウムでは、延長賛成・反対両説からのパネリストを招き、幅広い立場の人々が活発に意見を交換・発信することを目指します。
次に発起人さんたちの意見表明です。
この問題を考える際にもっとも重要なことは、創作のもっとも上流に位置する「クリエイター」本人たちが、権利を譲渡する著作権者・団体とは無関係な立場で議論に参加しなければならない。
世話人にして音楽評論家の津田大介氏*1からはお願いもあって、シンポジウムの生中継ストリーミングをホスティングしてくれる業者さんとボランティアスタッフを募集していらっしゃいます。詳しくはリンク先で公開されている連絡先に問い合わせてみてくださいね。
目論まれている著作権法の改正そのものにも私は反対だが、それ以上に、いろんな団体が軒並み同じような著作権保護期間の「要望」を連ねているという状況がもっと気持ち悪い。
私個人は、著作権の20年延長という現在進行中の法改正については、公式には賛成でも反対でもありません。心情的には反対ですが、音楽やその所有権についての研究者としての専門的立場からこの件について発言する以上、個人的利害に基づいた意見は繰り入れるべきではないと考えるからです
著作権を延長したがっている勢力の椅子は放っておいても10も20も用意されますが、延長に反対する委員の椅子は黙っていたら取り上げられるだけです。恐らく、文化庁には延長で「顕著な被害」を受ける当時者を意志決定に関与させる気すら無いでしょう。
もちろん俺は反対なのでその旨を伝えたら発起人にされてしまいました。もっとも発起人は64名いるのですが。俺の隣の隣に劇作家の別役実さんの姿もあって感激。「私は作品を公表した瞬間から、自分の作品は公のものだと考えている」との発言も。
レッシグも名前を連ねてくれたとのこと(国民じゃないからオブザーバーではあるけど)。ベルリンで話をしたのが効いたかなあ。今にして思えば、アメリカでのかれの戦いはやっぱ分が悪かった。
上記の引用部分を見ていただいてもわかるとおり、国民会議には著作権延長反対派、賛成派、中立さらに日本国民じゃないレッシグ先生もいらっしゃいます。「なんだか延長の方向にいってるけど、それで本当に良いのかちゃんと話し合おうよ」という姿勢が見えて大変期待しています。
この期待感と議論のポイントについてはcopyrightさんが素敵なエントリを書いてくださっているのでご参照ください。
これまでにも書いたことがありますが、著作権について議論をする上で、以下の3点を念頭に置いてもらいたいと思います。
1.誰もが著作権者であると同時に、利用者であるということ
2.自分も当時者であるということ
3.自分が他者の著作権を侵害している可能性があるということ
これら3点は根は一緒で、1点目にあげたことに繋がります。
では、各所での報道についてクリップです。
- クリエイターら、著作権保護期間延長の議論を呼びかける国民会議発足
- 著作権保護で「国民会議」、劇作家らが発足 NIKKEI NET:社会 ニュース
- スラッシュドット ジャパン | 著作権保護期間の延長に反対する団体が発足
- ITmedia News:「著作権保護期間の延長、議論を尽くせ」――クリエイターや弁護士が団体発足
- asahi.com:著作権の保護期間延長に慎重論議を 別役実氏ら申し入れ - 文化芸能
- 「議論尽くさない著作権保護期間の延長にNO」・作家や弁護士らが団体発足?インターネット-最新ニュース:IT-PLUS
- 図書館に関する調査・研究のページ “Current Awareness Portal” - カレントアウェアネス-R : 著作権保護期間の延長を巡る著作権者側の動向(日本) by chojo
- Sankei Web > 社会 > 著作権保護期間延長 国民会議が発足 議論求め要望書(11/09 10:33)
- 著作権保護で「国民会議」、劇作家らが発足 知財・総務:Biz-Plus
- 著作権保護期間、安易な延長を危惧…国民会議が要望書 : 文化 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
結構量がありますね…注目が集まっているのは喜ばしい限りです。
個人的には記事になった日付と国民会議の発起人の例示として誰が挙げられているか(○○氏や××氏ら、とか)の違いが、この分野に関する理解度を示しているようで興味深かったです*2。
これを機会に皆様も著作権保護期間延長について考えてみて、意見を表明してはいかがでしょうか。