Jimmy Wales氏インタビューの私的メモ

はじめにお断りしておきますが、結構長いです。そしてこのメモはWikipedia:オフラインミーティング/20070318Tokyo中に個人的に書き留めたものとid:cedさんからお借りしたメモを足したものですので*1Jimmy Walesさんや質問者の方など発言者の意図を正確に反映していない可能性があります。ご了承ください。
なお募集された質問の詳細は質問一覧をご覧ください。まずは募集された20の質問の応答です。


質問1
今までの各種プロジェクトで、一番失敗したと思ったことは何ですか? また、今手がけているプロジェクトで、止めてしまいたいプロジェクトはありますか?

やめたいprojetはない。wiki spiecesは私たちの想定とは違っているが。
小規模の言語に関して問題あり。2つの言語に分けたのだが、1つでよかった。ISOは違うし、政治的な問題もあった。ex. セルビア語とクロアチア語

質問2
英語版と比較すると、日本語版のWikipediaには一部コンテンツの記載内容に顕著な違いがあります。例えば、日本語版「ホロコースト」のページを英語版「Holocaust」のページと比較すると、日本語版にはホロコースト否定説について詳細な内容が延々と書き連ねてあり、その量は文字数で比較すると外部リンクなどを除いた記事全体のおよそ50%(18,000 : 9,900)という驚くべき多さとなっています。ちなみに英語版「Holocaust」ではその比率は2.7%(99,000 : 2,700)ですから、初めてこのことを知る人はギョッとするのではと思います(この比較は質問者が発見したものではなく、日本の有名なSNSのプライベートな記事で読んだものです)。個人的な所感ですが、これはWikipediaの方針の一つである「中立的な観点 (NPOV)」を重んじようとすることが、時にかえって奇妙な結果となってしまうことをよく現しているのではないかと思います。中立性を維持しようとするあまり、過激な相対主義のような奇妙な内容のページが増えることを懸念されたことはありますか?

それぞれ違った状況にある。言語が違えば内容違う。背景事情を知っているかどうかでだいぶ違う(自明な知識が限られる場合がある)
ホロコーストだと、英語の場合、ホロコーストだと記事が詳細化され、記事ごとに分かれている(編集の考え方)だから、単に2つの記事だけを比較するのは的確ではない。編集上の問題である可能性も。文字数だけで比較するのは事態を見失っている。それぞれの考えによって違っている。
多言語のプロジェクトなので、言語によって内容が違うことはありうる。
「飛行機は誰が発明したのか?」飛行機の発明者はライト兄弟アメリカ)、フランスではフランス人が発明したと書かれていた。英語と仏語を両方分かる人が、この違いについて発見し、両方の記事の内容が改善された。現在では詳細に誰がどんなふうに貢献したかが書いてある。
言語間の問題は改善される傾向にある。時間はかかる。POV(point of view)のいが問題を生む。バイアスはコミュニティのなかで解消している。

質問3
歴史上の問題、科学技術上の問題、哲学思想上の問題など、議論される問題の種類によってコンセンサスの形成のされ方は違うと思いますか?また、 Wikipedia上のあらゆる項目に共通するコンセンサス形成の仕方というものは存在していると思いますか?あるとすれば、それはいったいどんなものでしょうか。

それぞれの状況でコンセンサスの形成のされかたは違う。同一である必要はない。しかし世界的に共通するようなものの考え方はある。他の人が言っていることを注意深く聞くとか、自己の観点を、たとえ他の人が拒否していたとしても、貫いていくこととか。
コラボレーションには自己の倫理をつらぬくことが大切。最初は大きな議論になって、その内容に反対する人がいるとしても、議論を行っていくことで内容が形成されていく。新しい人が来て、バイアスのある編集をすることがあっても、既に行われた合意形成を参考にして意見の統一が行われる。

追加質問
言語や国家を越えた合意形成は可能?

できる。
たとえば、地域が違っても言語が同じ場合(台湾語、北京語)。いくつかの台湾についての重要事項について異なった考えを持っているものの、それはWikipedianのなかでは意見の違いとして理解されている。違いは違いとして理解されることが重要。ナショナリストが問題を起こすことがあるが、コアコミュニティ内では大丈夫。

追加質問
コアメンバだけが記事を書いてるわけではない。合意形成の方法論というものはあるのか?話し合いしか方法はないのか?

難しい。
コアコミュニティがWikiのコントロールをできていないと、合意を行うことは難しい。末端の参加者たち(random users)にとってコンセンサスに到達しなければならない理由はないのだから。一般ユーザーがそのままの状態で合意形成を行うことは難しい。だからコアコミュニティが必要。コアコミュニティでは合意形成できるということが大切。コアコミュニティがWikipediaの管轄を行っていることが重要。知らない同士だったらいつまでも論戦することになるだろう。

質問4
「ルールすべてを無視しなさい」や「なんでないか」*2といったWikipediaの基本の考え方、およびその考えの伝え方を、日本のWikipedianに説明するのはむずかしいのです。これは日本文化の独自性や、多くのWikipedianがプラグマティズム構造主義脱構築などの20世紀後半の哲学に慣れていないことに由来するのではないかと思いますが、ジンボさんがよくご存知の英語版のWikipediaではどういった状況でしょうか?

状況は日本語版も英語版も似たようなもの。みんな脱構築とかdeepな哲学的観点はわかっていない。むしろ文化の違いが問題。
Wikipediaは、伝統的な百科事典の理解によるものも大きい。仏版では伝統的な百科事典に対する考え方が違う。フランスと英語だとそれで違ってくる。日本人はルールを良く守る(車がいないのに信号守ったりとかね)だから文化的な問題も大きい。ルールを無視する、というのはルールがコンセンサスによって変化するし、いつも変革の余地があることを理解することでわかってもらえるのでは。
日本版はセンシブルなひとでもわかるようなルール作りがいる。すべてのルールが、読む前に事前にわかりやすく理解できるようにすること。言及元を書けとか、ポリシーを具体的に細かくわかりやすく規定するのもあり。

米ミドルベリー大学での試験で、Wikipediaの誤記を引用した誤答があったことが話題になりました。情報の利用について「二次情報ではなく一次情報をあたれ」とは常識ですが、Wikipediaの目指すところは二次情報でしょうか、一次情報でしょうか?二次情報であれば一次情報についての言及の乏しさ、一次情報であれば信頼性をどう担保するのでしょうか?

学生はWikipediaをソースとして利用すべきではなく、あくまで出発点とすること。大学教授も私もその点は同じ見解。ジャーナリズムには、新たに情報を生み出す機能があるが Wikipediaは違う。Wikipediaは既に存在している情報をまとめて、分かりやすく提示することが目的。仮にWikipediaが完全な百科事典になったとしても、それはあくまでその先を求めるための始発点でしかない。より信頼性を増すために、新しい情報を常に受け入れ、過激な情報が入り込まないようにするソフトウェア的な開発も必要。

追加質問
つまりindexを目指すということか?

indexじゃない。リンク集みたいになってるのは好ましくない。ちゃんとwikipedia内部に書いてあるのが良い。

質問6
無料で提供するサービスとして広告型以外の道が必要だと思っていますが、その一つに既存の組織で効率の悪い部分を改善しそれによってコストダウン出来た一部を回収する、というモデルが考えられると思います(コンサルティングサービスなど)。また、サーバなどの物理的な要素を肩代わりしてもらい知識の蓄積だけを管理するといったやり方もあると思います(PC-UNIXFTPサーバなど)。これらのモデルを採用する事は考えられないでしょうか。

うん、ありうる。
コスト削減は常に問題視すべきだが、独立性を保つことも大切。大手の検索エンジンから無料でホストする提案を受けたこともある。でも、これでは1つの検索エンジンに依存してしまう。ひとつの企業からだけって良くない。googlepedia yahoopedia 2chanpediaにはなりたくない。
韓国Yahooからサーバーの寄付は受けたことがある。でももし、それを理由にYahooのエントリの修正を求められたらサヨナラだけどね。リスペクトバリューはあるんじゃないか。

質問7
最近なども財団の財政状況が話題になりましたが、今後とも寄付モデルは続行する予定なのでしょうか。そうでしたら、おそらく強化していく必要があると思うのですが、なんらかの良い手段を考えているのでしょうか。

ニュースとかこういう話題好きだよね。
寄付モデルでだいたいの財政をまかなえているため、今のやりかたで問題ない。寄付モデルで大丈夫だから続けてくよ。インターネット関連の企業家から大きな寄付をもらえた。もし反広告主義に突っ走ると問題。寄付者に対して2,3日の間感謝の言葉を掲載することはバナー広告とは違う。
Wikipediaのロゴを商標化して、ロゴつかってビジネスできないか考えてる。ブランディングは戦略が難しい、プロジェクト全体にかかわってくるから。間違ったブランド戦略は、Wikipedia自体を脆弱化する可能性がある。

追加質問
技術的なコンサルティングとかやらないの?

お金をもらうためにコンサルはやらない。7人だし忙しすぎるし。だったらwikipediaをちゃんと維持したい。

質問8
今後ウィキメディア全般のなかにおいて、名実ともに名誉職にとどまるのか、それとも実効力が明文化された「創立者特権」を維持されていくおつもりなのかどちらでしょうか?

あくまでコミュニティにいるのであって、財団とはかかわりがない。コミュニティでの役割は法的な問題とかサーバー管理にある。役割が縮小していくことを望んでいる。Wikipediaにとって有益なら居残ることも考えるよ。女王や天皇みたいに象徴的存在として、手を振ったり笑顔を振りまいたりとか。
明文化する可能性?知らない。コミュニティにきいてよ。

質問9
紙、DVD、ラジオ、映像など、他の媒体による事業展開もお考えでしょうか。例えば日本語版ではアニメ、漫画、ゲームの分野が充実しており、お金に換算しても価値が見込まれるでしょう。CDにして販売すれば収益が見込まれると思われますがいかがでしょう。また収益が得られると分かれば、日本人のモチベーションにも変化が起きると思われます。

他メディアへの展開はありうる。ドイツ支部では企業とともにDVDの作成を行い、ドイツのコミュニティにある程度の収益があった。財団にとっては重要な話。
質問19と関わってくるので、ここで19も答えて良いかな?

質問19
Wikipediaは日本にウィキメディア財団支部がないため、責任の所在があきらかでない、無責任だといわれます。日本に財団支部があれば寄付金控除も受けることができるかもしれないし、運営ももう少しすっきりするかもしれません。日本に財団支部を開設する予定はないのですか。

支所はおくつもりない。支部(chapter)はとっても良いと思う。法的な団体の形成も可能になる。現地の企業との提携も可能になる。DVDつくったりとかビジネスできるよね。ドイツ支部には十分な利益がありかつ大規模なので、フルタイムで働ける人を雇うことができるようになっている。

追加質問
本部と支部がずれたらどうする?

支部が本部と分かれてもいい。支部は国ごとに作るべき。でもアメリカは大きい国だからひとつじゃまかないきれない。日本と日本語をしゃべる人は一致してる。SpanishとかEnglishはさまざまな国にまたがる。日本の支部は日本にしか作られない日本語と、日本の地理的条件はわかれていないので、難しさはないだろう。

追加質問
地域支部と特定言語版は不一致で良いってこと?

そうです。フランス支部で考慮された問題。フランス語はフランスに地理的にバインドされているけど、カナダのケベック州ケベック支部つくるのもぜんぜん良いよ。ローカルに活動するのはとっても良い。

質問10
Wikiaの事業展開が活発になっていますが、これは、新しいポータルサイトを構築し、Yahoo!などを越えていくものなのでしょうか。他、今後の事業の展望についてお聞かせください。また、競合他社との勢力争いに付いて、何か意見がありましたら、教えてください。

wikiaについて基本的なことを説明するね。百科事典(ライブラリ)としての機能は大きいが、それ以外に雑誌、ニュース、検索エンジンの展開を検討中。現在2500ほどのトピックがあり、それが45の言語で運用されている
それ以外に、雑誌形式やニュース形式のサイトもある(カスタマイズされたMediaWiki)。検索エンジンプロジェクトもあるよ。検索エンジンはインターネットの根幹にあり、だからこそ実生活の根幹にもある。ポータルという言葉は正しいかわからんがそういう有力なのになりたい。それは透明性があり、フリーである必要がある(transparency, participation, free)。今日本に来ている理由は、日本語のWikipediaの管理者探しもある。日本マネージャー募集中。free soft wareとか利用してやってくよ。

追加質問
ライブラリとマガジン以外のコンテンツで考えてるのある?

ふやすつもりはないよ、ソフトを改良とかしたい。コンテンツについては考えていないけど、ソフトウェアの向上はいつも考えている。

追加質問
ライバルどこだと思う?

うーん。
一番のコンペティターはいるにはいるが、自分たちのフリーな独自性を持っているところはない。著作権で囲い込みしてるよね。だから心配してない。

質問11
GFDLが3.0にバージョンアップする予定だと聞いていますし、CCなどのフリーコンテンツのライセンスもあります。今後ウィキペディアが、新しい、あるいは別のライセンスに移行することはあるのでしょうか。またその場合、古いライセンスのもとで提供された記述は新しいライセンスに移すことが可能だという解釈でよろしいでしょうか。

うん、複雑な問題だね。
GFDLの新しいライセンスが出る予定。CCとEFFと一緒にライセンスがWikiに見合うようにした。
コピーレフトなどフリーライセンスの基本的アイデアはすばらしい。でもライセンスが複雑なために、利用者にとっては難しい。CCも同じ哲学的立脚点にたっているが、Wikipediaとは違う。次と互換性があると定義されているから解消される。

質問12
日本語版ではGFDLを厳密に解釈しており、分割・統合・翻訳などでウィキペディアの他の記事の記述を移す際には、どの記事のどの時点の版を移したかを示すことが求められ、示すための適切な場所がないので編集内容の要約欄(履歴ページに表示されます)を利用しています。要約欄の利用では不都合が多いので、記述を移した元の記事とその履歴を書けるような大きなフィールドを新たに用意していただきたいと考えていますが、この方法が可能か、あるいはほかのもっとよい方法があるか、見解をいただければと思います。

GFDLを誤解してるんじゃないの?
ライセンスと翻訳の問題を抱えてる。GFDLとサイトにかかわる問題。もっと柔軟性がある。ツールを洗練させて書き込めるようなのを作りたいと思ってる。履歴を書くフィールドが大きくなることはサポートする。
引用元を書く必要性についてだけど、出典を示す必要はないけど、ユーザは助かるよね。誰かが英語のWikipediaの記事をドイツ語に翻訳したり、Wikimedia Commonsにある画像を、他のWikipediaの記事に画像を載せることはその好例。

質問13
日本語版ウィキペディアで、「MediaWikiで実装されているsubstの機能が、展開されるテンプレートなどの履歴を保存しないままコピーするものであり、GFDLの要件を満たさない」との主張があります。この主張を認めるのであれば、subst機能が使用できる、あるいは存在すること自体が弊害を生んでいるということになります。テンプレートに対するsubst機能は有用であり、禁止されるべきではないと思いますが、GFDLとの整合性について、どのようにお考えでしょうか。

前の答えと似たようなものだね。技術上の話でライセンスとあんまり関係がないよ。GFDLとサイト上の技術利用とは関係がない。

質問14
Wikiは今、世界的に流行していますが、これは一過性の物なのでしょうか、それとも、今後人類に取って必要不可欠なコラボレーションツールになっていくのでしょうか。

wiki tool……。うーん。わからん。
カセットとかと同じようにold techになるようになるかもしれない。まあコラボレーションっていう基本的概念は残るんじゃないかな。

質問15
Wikipediaの前には、Nupediaというプロジェクトをやっていて、そこからWikipediaに移行したはずですが、Nupediaを終了させる際*3、どうしてWikiというツールを選択したのでしょうか。特に、スパムや記事の安定性を考えるとWikiというツールは少々不安に思ったと思うのですが、その際には、どういうことを考えて決断しましたか?

Nupediaはトップダウン、アカデミック、コントロールトップダウン性のコントロールされた、7段階制のレビューシステム。参加が難しく、楽しくなかった。完全に失敗だった。
Wikiというツールという発見して、Wikipediaをはじめたとき最初二週間ねれなかったよ。壊されやしないかと思って。でもnupediaと違うことをやる必要があった。

追加質問
なぜwikiというツールを選んだの?

Wikiが十分に見えたから。他に選択できるものがなかった。フリーでインストールできたから使った。コントロールマネージメントシステムがぜんぜん違っててラディカル。そういうことしたかったWikiにはCMSの概念がなく、その革新的な考え方を採用したかった。

質問16
Wikipediaは、知識の共有を行うための非常に有効なツールであると考えます。今後、さらに発展して、Web3.0やWeb4.0の時代(5〜10 年後)を考えたとき、「善・悪」等の概念も共有することができるようになるべきと、個人的に思っていますが、どのようにお考えでしょうか?また、どのような仕組みを作れば、「善・悪」等を共有することが可能になると思われますか?

えっと。混乱してるんだけど…。
あくまで百科辞典で中立だから善悪とか概念形成に使わないつもり。合意形成にwikiは有効だけどね。Wiki toolが政策形成には役に立つことはあるだろうけど、wikipediaは関与しない。

質問17
もしあなたが今後Wilipediaに蓄えられた知的資源が教育に活用されるプランをお考えでしたらお聞かせ下さい。

自然にそれが起こっているのが現状。フリーコンテンツなので、ユーザーが自由に行っている。フリーだし、修正できるやつだし。wikibooksっていうテキストプロジェクトは面白そう。wiki booksというプロジェクトが有効。そのほかにもWikiを使わないプロジェクトが多くある。wikipediaがすべてのソースじゃないだろう。

追加質問
$100PCにwikipedia使ったりする?

$100PCにはWikipediaが入ってる。最初のコンテンツとして利用されている。日本に来る前一週間インドのサンガンビーハーというところを視察した。ニューデリーにある違法なコミュニティ。本当は住んではいけない場所に住んでいる。だから環境悪い。水道とか郵便とかない。プライベートスクールはある。幾何学とかはアメリカの学生(たいてい数学は苦手なんだ)が恥ずかしくなるくらいのレベル。学費月$2だけど親にとっては負担。$100もおっきいお金だよね。今後も考えてきたい。

質問18
Wikipediaの、将来のゴールは何ですか? いつまでに、何を成し遂げ、どうなっていたいと思いますか? また、そのために、我々利用者にどのような貢献を期待しますか?

ゴールは個人的なことだった。多くの世界中の言語でつくること。
Wikipediaの未来を考えるとき、マイナーな言語に係わらず利用者が多い言語のサポートが多くなることを望む。フランス語とか英語はすごく充実。
でも中国語は10万にすぎないからまだまだ。スワヒリ語とかいっぱいしゃべってる人いるのに少ししか項目がない。こういう言語のことを考えてる。でも成長して変わってくから将来はよくわからん。わたしたちの方で言語がわからないからサポートできないんだよなあ。問題だね。
もっと国際的コミュニティに日本人に参加してほしい。日本版は重要だし大きいから。でもときどき日本語版は孤立してる。wikipedianはフレンドリーだから英語がちょっと苦手でも大丈夫。参加して。

質問20
日本語版WPでは、代わりに小学生や中学生が前線で活躍しております。この積極的な勇姿な獅子たちにエールを送って下さい。

「がんばってくださーい」*4



以下は会場からの質問です。

日本のサブカルチャーについて興味がある?それが疑問?

二週間間前に来てあと二週間いる。wikiaのプロモーションに来た。あと妻が日本人のハーフなので親戚に会いに来た。娘に日本を教えるのも目的。今は娘が私の日本語を直してくれる。
アメリカにもサブカルチャーの記述はたくさんあるよ。日本に関するサブカルの項目。wikipediaは関心を反映している。もっと大きくなればバランスがとれるだろう。多様な人が参加するようになるからね。

ルールはどのように形成する?

細かいルールで混乱があったから、基本的な理念を提示する必要があった。5本の柱はそういう事情。形成はいろいろな手順がある。

原動力となったものは?

中立的な観点というポリシーかな。サポートがはいりやすい。たくさんのボランティアがいることはわかってた。だから新しく入ってくれる人なら誰でも歓迎した。
現在はサイズの問題が出てきた。議論するには大きすぎて議論をおいきれない。でも大きなコミュニティは健全であるとも考えられる。

著作権GFDLとの話だが、コンテンツの二次利用について著作権侵害があったときに誰が責任を負うのか?
著作権侵害の完璧な排除は難しいと思う。原著作者からのクレームを排除できないが、オーウンリスクでやれという理解で良いか?

リスクはwikipediaにない。それぞれの問題に関して出版した側などが対応する。FDLは明確に規定している。米国のDMCA法の元では、safe harvor provisionがあって、notice & take downで対応可能。USlawのデジタルミレニアム法はプロバイダ責任制限法。notice and take down。at your own risk(wikipediaから持ってきたものについて責任を負う必要はない)。wikipedia財団には法的リスクはちょっぴり。

ドイツでDVDを販売したそうですがcopyright violateが混入してるリスクはどういうふうに排除したの?

DVD販売の進展がゆっくりなのはそのためです。DMCAの除外事項はネット以外では適用されないから。ウェブはすぐに変えられるがDVDは無理だから。ドイツのケースではある会社がDVD販売を請け負ってリスクもひきとった。オフラインに行くことに怯える必要はないと考える。デュー・ディジェンスに沿っていれば、残る問題は少なくてすむのでは。一般人の参加者が多いので、wikipedianはビジネスでやってないから、こういうスーツ的な問題がでると萎縮するリスクはおそれすぎる必要はない。問題は少ない。賠償金を払うことになったとしても問題でない。まあなんにでもつきものだよ。

ちいさいころはどんなこどもでしたか?
苦労した点や秘密の話、信念とかを教えて

好奇心旺盛で本をたくさん読んだ。ちいさい学校でちょっと変わった教育を受けた。クラスは4人。自由時間がいっぱあったんで百科辞典を読みきったよ。信念はたくさんあるけど、まとめるとreason and friendliness to others(「なぜ?」とやさしさ)かな。

wikipedianのプロファイルは?

たくさんのwikipedia meetingに参加してるから、会ってる人も多い。まあ大体世界中で共通。二十代後半から三十代で、大卒。専門分野で働く。まあ学生とか教授とか引退したひともいる。それに10代の人もいる。すごく優秀。でも典型的ではないけど。ほかの10代と比べて成熟した趣味だから。
コミュニティはとってもフレンドリー。ブログには、強い主張、うまい文章、協調性が必要だけど、ブログでは協調はプライオリティ低い。でもwikipediaはそうはいかないから。(cooperation is secondary role in blogging. coopertaion is primary role in wikipedia.)
まあ実際のところ、あんまり記事書いてる人は把握できてない。

他のNPOとかとどんどん提携してく?

個人的にはやってきたい。象徴なのは内部だけで外部に関しては積極的に動くよ。でも私にメールしても忙しくて処理できない。
icommonsにおいてフリーカルチャーの間でコラボしてる。今後も増えるよ。

課金について

FDLライセンスだから誰でも使えるよ。2つの方法がある。ひとつはトレードマークを使いたい場合、もうひとつはコンテンツを使いたい場合。life feedというサービスを提供してる会社あって、払ってもらってる。こういう提携もあり。

wikpediaの記事の変遷がわかるような、フローのキャプチャを作ってやってみませんか?

いいじゃん、つくってみてよ。web2.0だ。
営利団体としてwikiaをたちあげたのは開発資金がほしかったから。フリーカルチャのなかでビジネスモデルをつくるのって重要。今はボランティアの開発者にたよってる。新しいアイデアを形にするお金も時間もない。でもイノベーションが進むんじゃないかな。

*1:cedさんに感謝。

*2:司会者からの解説:Wikipediaは、自身を定義するときに「Wikipediaは何でないか」という方法で規定している。

*3:司会者から指摘:終了とあるのは誤りで、並行して行われた

*4:日本語で答えていた