デジタルコンテンツに関するパブリックコメント

ロージナ茶会ブログで既に公開されていますが、総務省が募集しているパブコメについて、フォーマットを作成しました。コピーワンスコピーワンス+N回という結論に反対ということであれば、皆様からもパブリックコメントに意見を提出していただけないでしょうか。
今回、茶会では2つのパブリックコメントのフォームを用意してみました。もちろんこのフォーマットはいくらでも変更していただいて結構ですし、使っていただかなくても全く問題ありません。なお、氏名欄等はご自身のものを記入してください。


9月14日(金)午後5時が締切です。コピーワンスコピーワンス+N回という結論に反対の方も賛成の方も、態度保留の方も、それ以外の論点に興味のある方も、皆様是非ご応募ください。
意見提出先:contents@ml.soumu.go.jp

どうしてCOG+N回に反対か?

今回の報告書の最大の変更点は、今までの「コピーワンス」を、「コピーワンス+9回」に変更する、というところにあります。しかし、これにはいくつも問題点があると茶会では考えています。


まず1つ目は、この変更を反映させるためには、HDDレコーダー自体を買い換えなくてはならないということです。既に発売されている機器は、コピーワンスか、回数制限無しのコピープロテクト、もしくはコピーフリーにしか対応していないためです。対応するようにメーカーが修理をしてくれる、交換をしてくれるというのでしょうか? これから発売される機器はともかく、多分それは起こりえないと思われます。
次に、コピーの回数は9回で足りると消費者は考えているのだろうか、ということがあります。9回というのはとても微妙で、使い切りそうな気がしませんか? わざわざ機器を作り換えてまで、対応させたい数でしょうか。我々茶会としては、コピーフリーとして新たにビジネスを考えるとか、インターネットにはコピーできない、という程度のコピープロテクトにしてもらった方が、遙かに色々と使えて良いのに、と考えているのですが。
3つ目として、コピーワンス+9回といいますが、これはどの機器にもコピーして使えるのか、ということです。たとえばiPod第5世代に転送できて、再生可能なのでしょうか。私たちが普段持ち歩いている映像視聴端末としては、携帯電話か、iPodか、PSPか、というあたりではないかとおもいますが、そういう端末で再生できないと意味無いですよね。その辺の検討がすっぽり抜け落ちているように思います。
そして4つ目。「私的録音録画補償金制度」は何処に行ったのか、ということです。そもそも、コピーによる損失を補填するための制度なのですから、コピーフリーによる損害があって、どうしても損失補填が必要だというのならば、こちらをもっと有効に活用して、コンテンツの利用を促進した方が良いのではないかと思うわけです。


とりあえずコピーワンス変更の点だけを見ても、このくらいの問題点は気になっています。こういう時に声をあげておかないと、しゃんしゃん進行になってしまうのは確実です。最近いろいろなところで言われていることではありますが、法案になってからでは遅いのです。
というわけで、以下に2つの反対用フォーマットを提示してみます。

コピーフリーにして、コピープロテクトそのものをなくすべき

ページ

44ページ〜45ページ

ご意見等

コピーワンスの改善の在り方について、コピープロテクトありきで議論が進んでいる点が根本的におかしく、実際の消費者の声を無視した報告書である。
COG+N回の結論だけでなく、COGを含めたコピープロテクトを行うことそのものに反対である。

理由

「審議の過程では、上記(1)に示した議論を踏まえ、いわゆる「コピーワンス」の改善の在り方に係る具体的な選択肢を次の四つに整理した上、意見交換を行ったところである。」とされているが、COG・EPNを含めたコピープロテクトを行うこと自体に反対であるという意見をちゃんときいていないのは問題である。特にデジタル機器について、これを使いこなしているであろう、ヘビーユーザを代表する意見がどこにも入っていない。

そもそもアナログ機器はコピーフリーであったのであり、デジタルになったからといって変えるというのは、慣習として確立されていた私的利用の範囲を不当に狭めるものである。せっかくのデジタル機器の利用を狭め、新たな創作活動にも繋がるかもしれない利用法を制限するのは、全く理解できない。既にコピーフリーにしてビジネスを行うということが、YouTube等を通じて行われているが、アナログ時代が終わったことを認め、デジタル時代/インターネット時代に適したそういう新たなビジネスモデルにこそ、対応していくべきではないか。

COG+N回、COG、EPNを含め、コピープロテクトには反対である。

コピーはEPNにして、私的録音録画補償金制度で対応するべき

ページ

44ページ〜45ページ

ご意見等

コピーワンスの改善の在り方について、「?コピーはEPN方式とした上で、私的録音録画補償金制度で解決する」という選択肢を追加するべきである。また、上記で追加した選択肢を解決策に選ぶべきであると主張する。

理由

「審議の過程では、上記(1)に示した議論を踏まえ、いわゆる「コピーワンス」の改善の在り方に係る具体的な選択肢を次の四つに整理した上、意見交換を行ったところである。」とされているが、上記の選択肢を除外しているのはなぜか。
現在販売されている機器は、現行のCOGかEPNか、コピーフリーしか選べないようになっており、また第三次中間答申では、EPNへの移行を謳っていたはずである。EPNを前提として、制度を考えるべきではないのか。COG+N回では既存の機器が対応しておらず、メーカーに負担をかけると共に、消費者に対しても無用の負担を課すものとなってしまう。既に購入した人間にしてみれば、買い換えまでしなくてはならないことになる。第三次中間答申を受けて、EPNになることを期待して買った人間もいるにもかかわらずである。また、COG+N回が最終結論になるのかどうかも不明であり、消費者が安心して商品を買えない状況にする必要性が理解できない。
そもそもアナログ機器はコピーフリーであったのであり、デジタルになったからといって変えるというのは、慣習として確立されていた私的利用の範囲を不当に狭めるものではないか。EPNであればインターネット上への流出は防げるのであり、リアルでの複製のみによる被害というのはそう大きくはならないはずである。そもそも、EPNにした場合の被害というものがどの程度の金額になるか、きちんと試算をしているのか。公平に見て妥当と思われる被害額を試算し、提出するのは、アナログ時代にはできた利用法を狭めようとする側の最低限の義務だろう。
また、私的録音録画補償金制度は、私的複製に対する対応策として考えられた制度であり、これは今回の議論において、重要な選択肢の一つであると考えられる。なぜこれを考慮の対象として入れていないのかについては、少なくとも説明を入れなくては検討をしたとはいえない。消費者がデジタル・コンテンツを自由に楽しめるようにするためにも、補償金制度の方で吸収した方が、望ましいのではないか。

ちなみに

ロージナ茶会案は現時点でこんな感じです。