2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「近代」を生きる人間の戯画と、生死の間に咲く花

2005年に書いた文章を掲載。 いまでもこういう図像学っぽい解釈をときどきします。 モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37)作者: ミヒャエル・エンデ,Michael Ende,大島かおり出版社/メーカー:…

茶会ブックリスト

そういえば、ロージナ茶会のreferencesを更新しました。id:cedさんが中心となって編纂しています。テーマは「情報化社会を見渡す100冊」。 なるべく全部読んで書評を書きたいと思います…。 【追記】 既に書評を書いている本 半可思惟 - 白田秀彰著『インター…

第1回定例茶会報告

日時:2007年1月28日(日) 15:00〜17:30*1 会場:ロージナ茶房 参加者:10名 論題:欧州IPTV事情、ニコニコ動画、大茶会の打ち合わせ、情報通信省構想など まずは出張帰りのid:kiraさんからヨーロッパで見聞してきたことを紹介(詳細は非公開)。その一部は…

信頼と信用に関するlifehack

信頼と信用というのは違う意味を持っていると捉えているので、私は能力に対する期待としての信用と、意図に対する期待としての信頼を時々わけて使います。 それは説得者の専門性に基づく能力(competence)と、説得者の意図についての信頼性(trustworthines…

ひねくれものの知恵の実

Freakonomics Intl Pb: A Rogue Economist Explores the Hidden Side of Everything作者: Steven D. Levitt,Stephen J. Dubner出版社/メーカー: William Morrow & Co発売日: 2006/01メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (7件) を見る Freakonomics…

コテハンの責任とキャラ選択―人格と責任について―

序 個人主義は近代的市民社会の基底を成す思想であるが、実は不明確な観点を含んでいる。それは時間的に継続する普遍の統一的人格の存在を自明のものとして前提にしているという点である。この論考では、このようなリジットな個人観に対してやわらかい人格観…

著作権と所有の関係についての考察

ナカブロさんが追記にて しかしご質問のなかに出ていたロック的な労働価値所有論の観点からすると、著作権法は全然意味不明なんです。 創作者は自ら著作物を生み出したわけですから、「彼の労働とその手の働きは、まさしく彼のものである」という法格言通り…

著作権という言葉について

前々回のエントリに対してナカブロさんからいくつかご指摘をいただきましたので、お礼も兼ねていくつか書かせていただきたいと思います。 第一に、これは誤解ではなくて簡略化して理解しやすく説明しているだけだと思いますけれど、たしかに著作権法は著作者…

「道に迷った世代」から

私はちょうど仲俣暁生さんの言う「道に迷った世代」*1にあたります。 2001年に20歳だった世代を前後に5年づつ延ばすと、 1976年から1986年頃に生まれた世代となり、いま彼ら彼女らはちょうど20代か、せいぜい30代にさしかかったあたりである。私の感覚だとむ…