2007-01-01から1年間の記事一覧

ダウンロード違法化とダビング10について2007年のまとめ記事を執筆しました

いよいよ本日26日夕方から、MIAUのシンポジウムがはじまります。「あの池田信夫先生に加え、小倉弁護士も参加という、blog界を震撼させる強力2ショットが拝めるのはMIAUだけ! というイキオイ」です。さらに斉藤先生も加え、「技術」「法」「経済」「文化」な…

【おしらせ】MIAUは「ダウンロード違法化の是非を問う」緊急シンポジウムを開催します

失敗したとも言われているMIAUですが、まだまだやりますよ。というか両院通過してないですから、全然終わってないので結論出して諦めるには早すぎですよ*1。小倉先生も、民主党の川内議員もそれを見据えて動き出していらっしゃいます。MIAUも動きます。 シン…

インターネットユーザーの感覚が反映されない政策の歴史

盗聴法(1999年) 東浩紀氏は通信傍受法、通称「盗聴法」が可決された1999年に、「通信傍受法と想像力の問題」において、この法案をめぐる議論の方が抱えていた一種の機能不全について、次のように指摘している。 私がそこで問題としたのは、ひとことで言え…

ダウンロード違法化を問題視しなければならない5つの理由

報道によると、私的録音録画小委員会第15回会合でダウンロード違法化が既定路線になったということだ。「違法複製物又は違法配信からの録音録画の取り扱い」(ダウンロード違法化)の問題は、「第30条の適用対象外とする方向で対応すべき」という方向らしい…

MIAUの大感謝祭、ご協力のお願い

報道によると、私的録音録画小委員会へのパブリックコメントは、7500通もあったらしいですね。その中で、6000通がDL違法化反対だったのだそうです。うち、4200がテンプレートを利用したものだったようです。myrmecoleonさんがご指摘されている通り、逆にいえ…

いろいろ書こうと思ったけど、時間もないので短く

レッシグ先生の「もし君たちが、自分自身の自由のために戦うこともできないというのなら……君たちはその自由に値しない」という言葉も好きだけれど、私がMIAUに参加するにあたって念頭に置いたのは、かつて英語の先生から教えてもらったゲーテの言葉です。 世…

MIAU設立発表会に行けないという方へ朗報

MIAU公式ページにも記載しましたが、こちらにも転載します。 募集が大変短期間であったにも関わらず、MIAU設立発表会に多くの方からご参加の連絡をいただき、誠にありがとうございます。さて、本日開催する発表会の模様は当団体でも録音・録画を行います。後…

【おしらせ】津田さん・小寺さん・白田先生たちと明日記者会見を開きます

はてなで日記を書き、twitterで呟きつつ、Skypeで会議する。 …そんなインターネットを使い倒している人たち、情報の自由を享受しているユーザーたちの利益を政治的に代弁する組織を作ります。 今まで情報技術に関わる政治的意思決定は、得てして「偉い人には…

秋のテキスト

今週から秋学期。どれを履修するかもだいぶ固まってきたので、メモ代わりに教科書一覧を作ってみました。なお教科書や参考書を指定しない授業と法学以外の科目は、リストから外してあります。 社会保障法 社会保障法作者: 西村健一郎出版社/メーカー: 有斐閣…

CCLの議論延長戦@twitterのまとめ

あそことは別のはらっぱ。 - CCでの「継承」条件取り外しは再コピーの禁止を明示できないと思う。 半可思惟 - CCLに追加条件は付けられます あそことは別のはらっぱ。 - CCの追加条件について、もしくはPodcastingの文字起こし。 半可思惟 - CCL追加条件考 …

セカンドライフよりも普通のネットの方が自由度高くない?

タイトルは釣り。本当は仮想空間についての話。お魚さんと話したことのまとめです。 仮想空間なんてものはなくて、私たちはずっとリアルワールドにいる、あるいはずっとバーチャルワールドにいる。なのに何故現実と仮想の二分をするのでしょうか。 多くの人…

CCLのmorePermissionsについてまだ続く

あそことは別のはらっぱ。 - CCでの「継承」条件取り外しは再コピーの禁止を明示できないと思う。 半可思惟 - CCLに追加条件は付けられます あそことは別のはらっぱ。 - CCの追加条件について、もしくはPodcastingの文字起こし。 半可思惟 - CCL追加条件考 …

CCL追加条件考

半可思惟 - CCLに追加条件は付けられますの続き。shidhoさんがお返事のエントリーを書いてくれて、しかも結構な量の文字起こしまでしてくれました。 あそことは別のはらっぱ。 - CCの追加条件について、もしくはPodcastingの文字起こし。 労をとってくれたこ…

CCLに追加条件は付けられます

あそことは別のはらっぱ。 - CCでの「継承」条件取り外しは再コピーの禁止を明示できないと思う。 このエントリの主旨であるところの疑問については、小野寺さん(訂正。ご指摘ありがとうございます。失礼いたしました)小寺さんの言っていることは半分合って…

電子図書館

かたつむりは電子図書館の夢をみるか - デジタルコンテンツの進展と"電子図書館の消失" 電子図書館の最大の魅力が「いちいちその図書館に行かなくても情報が利用できること!」にあるという話。 これを読んではてブで以下のようにコメントしましたが 学術的…

まいど

150000PV超えました。 ご回覧中の皆様に感謝します。 ありがとうございます。

デジタルコンテンツに関するパブリックコメント

ロージナ茶会ブログで既に公開されていますが、総務省が募集しているパブコメについて、フォーマットを作成しました。コピーワンスやコピーワンス+N回という結論に反対ということであれば、皆様からもパブリックコメントに意見を提出していただけないでしょ…

特許権の保護期間を延長しているのだから、著作権の保護期間も延長して良い?

知らぬい - 追記(9月2日)に対する私のコメント 純粋に疑問なんですが「70年に延長した場合に、権利者のメリットが…」とありますが、70年に延長することを前提にしているのは弊害の程度の問題だからですか?その場合、所有論など正統性はどう解するのでしょう…

第4回thinkCの私的メモ

著作権保護期間延長問題を考えるフォーラム公開トークイベント日本は「世界」とどう向き合うべきか?−アメリカ年次改革要望書、保護期間延長論、非親告罪化を手がかりに−に行ってきました。 日時 2007年8月23日(木) 午後6:30 - 8:30 場所 慶應義塾大学三田…

図書館における学術論文の複写についてQ&A風のまとめ

Qさんは個人研究家です。母校の図書館に来て必要な資料を探しました。何気なくコピーしようとすると、コピー機の前に張り紙が。「学術情報の多くは著作物として著作権法により保護されています。著作物のコピーは基本的に半分までです。複写は著作権法の範囲…

CONTENT'S FUTUREの短い書評

CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ (NT2X)作者: 小寺信良,津田大介出版社/メーカー: 翔泳社発売日: 2007/08/02メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 6人 クリック: 136回この商品を含むブログ (98件) を見る コンテンツと一緒に未来…

ファミリー・アフェア

「所有」をめぐる冒険、世界の終りとプロパティ・ワンダーランドの財産シリーズの続き。 今回は夫婦の財産についてです。 はじめに―問題の所在と考察の方向性 民法は、夫婦の財産関係につき当事者間に契約がないときは法定財産制度に拠るとしています(755条…

「はてなスターを説明できる普通名詞」を考えてみたよ

はてなの中の人たちが、はてなスターのさらなる盛り上げ策を考えているみたい。それではてなスターを説明できる普通名詞を考えようとしてて、募集をしています。 さて、はてなスターを説明できる普通名詞は思いつかれるでしょうか? 難問だと思います。私は…

コンテンツ流通のための「二階建て制度」についてのまとめ

Abstract 昨今様々な組織・団体から提案されている著作権法における特別法、いわゆる「二階建て制度」に関して、やや批判的な視点から考察してみました。二階建て制度には3つの特徴があり、多くの場合同じような内容を提案しています。ただし提唱している主…

copyrightが「版権」から「著作権」に変わったとき

今回は日本における著作権法史のお話です。 copyrightに「版権」という訳をあてたのは、福沢諭吉です。 でもそれ以前にも似た概念はありました。江戸時代は「潤筆」と呼ばれてたようです。潤筆…とっても風雅な語感ですね。滝沢曲馬琴がもらったという記録が…

「永久に」という語をめぐる九条と九十六条の関係

チャトランガ夫人の恋人 - 憲法改正限界説に関する素朴な疑問 半可思惟 - 憲法改正の限界について chaturangaさんからさらに質問が来たので、可能な範囲でお答えしたいと思います。 1. 「憲法改正限界説」に立つなら、「永久に」という語がある以上、九条の…

憲法改正の限界について

前回、前々回と続けていた財産シリーズは一時お休みして、今回は憲法改正と民主主義のお話です。 id:chaturangaさんが「憲法改正限界説に関する素朴な疑問」というエントリのなかで、以下のような問題提起をなさっています。 九十六条には、変えられないもの…

世界の終りとプロパティ・ワンダーランド

前回は所有について、社会的行動を経済学的に分析した上で、資本投下保護機能として成立したとする説を紹介しました。今回は所有という観念の思想上の歴史的変遷を辿ることにします。 共和政的徳性と所有 古代における所有概念はいかなるものだったのでしょ…

「所有」をめぐる冒険

古今、社会形態や政治体制はさまざまな角度から検討され、論じられてきました。その際に指標となるのが「所有」という概念です。しかし「所有」そのもの、あるいは所有権がいかなる概念かということは、意外にもほとんど論じられることがありません。 経済学…

学問バトン

logical cypher scapeのid:sakstyleさんより回していただきました。荻上チキさんの作ったバトンだそうです。 id:inflorescenciaさん(半可思惟) 著作権関連のエントリで有名なinf.さんです。inf.さんの方は僕のことはほとんど何も知らないと思うので、突然…