知財
Abstract 昨今様々な組織・団体から提案されている著作権法における特別法、いわゆる「二階建て制度」に関して、やや批判的な視点から考察してみました。二階建て制度には3つの特徴があり、多くの場合同じような内容を提案しています。ただし提唱している主…
今回は日本における著作権法史のお話です。 copyrightに「版権」という訳をあてたのは、福沢諭吉です。 でもそれ以前にも似た概念はありました。江戸時代は「潤筆」と呼ばれてたようです。潤筆…とっても風雅な語感ですね。滝沢曲馬琴がもらったという記録が…
問題の発言 昨日の24日に、ICPFが三田誠広氏を招いて「著作者は著作権をどのように捉えているか」と題するセミナーを行いました。 私は試験中のため残念ながら参加できませんでしたが、大変興味深い対話がなされたようです。そのなかで私が特に気になったの…
ケース課題(2007-02)X社は、糖尿病用剤として「A錠」なる医薬を製造、販売している。同社は、その主成分であるAという化学物質について特許権を取得した。この特許権(「本件特許権」)は、今年1月15日に存続期間が満了している。 Y社は、今年の1月20日ご…
今週のゼミのケース課題は特許法と薬事法関連。特許法は未習なので、皆についていくためにちょっと調べてみました。以下は予習のまとめです。 特許法の目的 特許法の目的は「発明の奨励」です(同法1条)。一定期間独占権を付与することにより特許発明を保護し…
「中古店、特に新古書店を正当化する論拠は何だろう?」の続き。当該コメント欄を参照していただければわかりますが、 権利消尽あるいはファーストセールドクトリン的結論を導く正当化根拠としては、これまでのところ、大まかに三つの考え方が提示されていま…
知的財産である書籍やCDなどの中古品を転売しても良いのは、譲渡権が消尽することが条文により規定されているからです。原作品または複製物が譲渡された時点で、この譲渡権が消尽すると定めています*1。権利者が知的財産権を一度行使することによって、その…
昨日のエントリで設問の3まで答えてみましたが、今日はその続きです。小倉先生からの出題は以下の通りでしたね。 次に掲げるものは著作物ですか?著作物でないとしたら、著作物性のどの要件を欠きますか。1. 尾崎放哉の「せきをしてもひとり」という句2. 「(…
昨日のエントリでは私のゼミの課題について書きましたが、小倉先生のゼミではこんな課題を出していらっしゃるそうです。 次に掲げるものは著作物ですか?著作物でないとしたら、著作物性のどの要件を欠きますか。 1. 尾崎放哉の「せきをしてもひとり」という…
ケース課題(2007-01)日本法人Y1は、「Perfect History of “The Who”」なるタイトルの映画(以下、「本件映画」という。)の複製物を日本国内で販売することに関し、同映画につき著作権を有する英国法人A社からライセンスを得ており、日本法人Y2はY1を経由…
政府は、現在、知的財産基本法に基づき、「知的財産推進計画2006」の見直しを進めております。 つきましては、「知的財産推進計画2006」の見直しにあたり新たに盛り込むべき政策事項について、国民の皆様から幅広くご意見を募集いたします。ご意見は…
ニコニコ動画にDDoS攻撃、サービス一時停止 - ITmedia News ニコニコ動画、YouTubeからアクセス規制されて閉鎖 - GIGAZINE この件に関して「YouTubeだってただのりじゃないか」という意見がありますが、それは異なるレイヤーの話を混同しています。YouTubeの…
はてブではあまり話題になっていないみたいなのでご紹介。 合法的な音楽売上に対するP2Pの影響に関する調査というのをFelix Oberholzer-GeeさんとKoleman Strumpfさんという方が行ったそうです。結果はthe Journal of Political Economyに掲載されています。…
ナカブロさんが追記にて しかしご質問のなかに出ていたロック的な労働価値所有論の観点からすると、著作権法は全然意味不明なんです。 創作者は自ら著作物を生み出したわけですから、「彼の労働とその手の働きは、まさしく彼のものである」という法格言通り…
前々回のエントリに対してナカブロさんからいくつかご指摘をいただきましたので、お礼も兼ねていくつか書かせていただきたいと思います。 第一に、これは誤解ではなくて簡略化して理解しやすく説明しているだけだと思いますけれど、たしかに著作権法は著作者…
どうもお久しぶりです。イスパのテストが終わって冬休みに入り、大掃除もひと段落ついたのでぼちぼちこちらの更新も再開したいと思います*1。さてこんな質問をいただきました。 あんまこの話題について勉強してないけど、そもそも、著作権って著作者本人の権…
違法コピーしたコンテンツのダウンロード自体を非合法化しようという動きがあります。 政府の知的財産戦略本部(本部長・安倍首相)は、音楽や映像を違法コピーした「海賊版」をインターネット上からダウンロードすることを全面的に禁止する著作権法改正に着…
既に各所で報道されていますし、またいろいろなブログでも紹介されていていまさら感が漂っていますが国民会議について出揃ったところでまとめクリップです。 まずは国民会議の本家サイト 著作権保護期間の延長問題を考える国民会議 - thinkcopyright.org 12…
怒りに燃えるid:mhattaさんがスラッシュドットでインタビュー企画を敢行しています。 幅広い分野の有名(場合によっては無名)人へ、/.の読者から寄せられた質問を送り、メールで答えて頂くというのが基本的な形式です(本家のインタビューを、/.Jの有志が翻訳…
Copy & Copyright Diary:[著作権]延長反対ロゴ経由で知ったのですが、aozora blogにて著作権延長反対ロゴを貼ろうというキャンペーンが実施されているようです。
ヤコブ・ニールセンのAlertbox -そのデザイン、間違ってます- (RD Books)を読んで面白いな、と思ったのは以下の指摘でした。 デザイン標準に従うということは、単にユーザに伝えたいことをより確実に伝える上で役立つという意味しかない。ドキュメントを作成…
先日Windows Live Messengerに移行しようとしたのですが、ダウンロードしたのにも関わらずうまく起動できないということが起きました。削除と再インストールを行っても、周囲の方にも聞いても一向に解決しないので、Microsoft Customer Supportに問い合わせ…
404 Blog Not Found:数学的にはデジタル情報に著作権はありえない!?について。mixiでid:cedさんやあかみさんと話したことを再録。結論から言えば、このレイヤーは保護対象にならないだけって論になると思います。*1 弾さん自身が詭弁、と言ってるのがヒント…
以下のインタビューは2006年1月14日に国際大学GLOCOMの片隅で行われたものです。ised@glocomの設計研第7回終了後、ゲストコメンテータとして参加なさっていた白田秀彰先生に懇親会第1部の時間を割いていただきました。お疲れのところを缶ビール片手に語って…
つれづれ:クリエイティブ・コモンズの「 some rights reserved 」って変じゃないか?を読んで。 私もよくわかっていないので、きちんと答えられるか不安ですが、とりあえずわかっているところまで書いてみます。 「 some rights reserved 」という表現には凄…
私が病床で伏せっている間に、世界は動いていました。 いろいろなところで紹介されている通り、MSとCreative Commonsが提携しました。Officeに著作権ライセンスを組み込むためのツールを公開していて、Microsoft Office Onlineにて無料でダウンロードできま…
The Future of Ideas: The Fate of the Commons in a Connected World作者: Lawrence Lessig出版社/メーカー: Vintage発売日: 2002/10/22メディア: ペーパーバック クリック: 6回この商品を含むブログ (4件) を見る ようやく読み終わりました。長かったです…
著作権保護期間に関する提案に続き、英国がまた素晴らしい報告書を出したようです。詳しく知りたい方はreport into Digital Rights Management、概要で良い方はAPIG inquiry into Digital Rights ManagementまたはBoing Boingの記事をご覧下さい。 APIG(The…
id:cedさん経由で知ったのですが、英国議会で著作権保護期間延長を著作権者が望んだ場合のみ行うという提案がなされたそうです。 So the British are considering extending the terms of copyrights for recordings from the current term of 50 years to 9…
「ライセンスって契約なの?」 前回、導入と結論だけ書いてみましたが、今回は鄯)ライセンスは契約と言っていいのか(技術的疑問)についてcedさんの素晴らしい解説などを引用しつつまとめていきたいと思います。*1私は ライセンシーの契約受諾に関する意思…