仲俣さんのインタビュー第3部を公開しました

仲俣暁生id:solar)さんのインタビューの第3部を公開します。新しく公開したのは以下の記事です。

第3部ではブログの特性とそれによるテキスト流通量の変化、そしてシステムの受信機としての本について語っていただいています。たとえばブログは「引用の束」では

テキストが二次利用されて流通してくっていうことは、これまで紙の世界ではあんまりなかったと思うんです。 学者の世界の場合は、ひとの論文を引用するのは当たり前だし、評論や書評でも引用されるけど、ごく普通の人にとっては、本を引用するって経験はほとんどなかったと思うんです。

ブログは「引用の束」でしょう。意識してバラ撒かなくても、公開の「場」に出してけば勝手にリンクやトラックバックされて、引用し、引用されあうことになる。

書籍の全体性と相互参照性では

たとえばテレビを考えてみても、自分の家にあるテレビの受信機だけを見て、「これがテレビだ」と思ったら間違いで、当たり前だけど、放送ネットワークがあってはじめて、多くの人が同じものを見ることが可能になる。ここにある機械はあくまでも「テレビ受信機」であって、「テレビジョン」というメディアそのものじゃない。大量生産される紙の本も、いわば「本」というシステムの受信機みたいなものでしょう。だから、「本」と言ったとき、そのことを考えていかないと間違える。

など興味深いお話が聞けました。


また、これからさらに以下の記事の掲載を予定しています。

  • エディターシップの3要素
  • これからの編集者
  • 権威じゃないことの権威と設計
  • プロの編集者に残されているもの
  • サイバー・カスケードとフリーペーパー
  • 新古書店の台頭
  • アマゾンに編集者が就職する未来は来るか?

どうぞお楽しみに。


【追記】
仲俣さんがラジオ出演されるそうです。メイン・パーソナリティは社会学者の鈴木謙介さん、そしてパーソナリティがいずれも濃い……ということでかなり期待ですね。

赤坂にあるTBSラジオで、10月7日土曜日の夜8時からオンエア(AM954kHz)される新番組「Life」のリハーサルをしてきて、ついさっき帰ってきたところ。「文化系サークルの部室で、あ〜だこ〜だと議論する楽しさ」を伝えたい、という番組のコンセプトどおり、楽しい時間を過ごしてきた。

番組のメイン・パーソナリティは社会学者の鈴木謙介さんで、そのほかに批評家の佐々木敦さん、日経BPの編集者・柳瀬博一さん、『R25』の斎藤哲也さん、『Quick Japan』編集長の森山裕之さん、そして私という、「文化系」のキャッチフレーズにたがわぬ濃いメンバーが、「サブパーソナリティ」役としてテーマに応じ随時出演する。基本的には20代以下の若者向けだが、ラジオ番組としては異例なくらい出版メディアの関係者が多いので、そちら方面でも多少は話題になってくれるといいと思う。


http://d.hatena.ne.jp/solar/20061001/p1

ターゲットを「基本的には20代以下の若者向け」に絞ったものって微妙になっちゃうものが多いですけど、どんな感じなんでしょうか。とりあえず番組プロローグが公開されているので、それを聞いてみたいと思います。