最近のMIAU

知財推進計画2007」見直しに関する意見募集の告知

前記事のコメント欄に「どうも募集を知ってる人が少ないみたいなので、簡単でいいのでMiAUのトップページで告知して宣伝してください」との要請があったので、頑張ってMIAU公式サイトに告知と論点整理のエントリーを上梓しました。「『知的財産推進計画2007』の見直しに関する意見募集について」という記事です。ご一読下されば幸いです。

論点整理にあたっては、兎園さんの「第71回:知的財産推進計画に対する意見募集の開始」をほぼそのまま使わせて頂きました。現金なお願いを快諾してくださった兎園さんにこの場を借りて感謝したいと思います。どうもありがとうございます。

そして、論点整理の意義(今回の意見募集では「新たに盛り込むべき政策事項」が対象とされていますが、過去に盛り込まれていた政策事項でもインターネットユーザーの視点から再定義すべき事項がありますよー、次年度持ち越しの議題も結構あるし、という内容)を前書きとして執筆したところ、INTERNET Watch「MIAUが『知財推進計画2007』見直しに意見、ユーザー視点の再定義が必要」と紹介されました…。朦朧とした頭で書いたのに、おおごとっぽくなっていて少し動揺しています…。でも多くの人にパブリックコメントの存在を知ってもらいたいので大変有難いことです。

現在、MIAUとして提出する予定の意見書案を幹事会で相談して作成中です。この調子ですと、自前の文章を用意するだけで精一杯な感じです。コメント欄で要望のあった「簡易書式」は準備できませんので、各自で書き上げてくださればと思います。

準児童ポルノに関する公開質問の返信への対応 (以下はMIAUの公式見解ではなく私見です)

28日18時半頃に財団法人日本ユニセフ協会の広報室担当者様より、MIAUが送付した公開質問状に関してご返信がありました。詳細は「日本ユニセフ協会広報室より質問状へのご返信をいただきました」に記載した通りです。法的な回答義務は無いにも関わらず、ご多忙の折、お返事下さったことに感謝致します。ありがとうございます。


とは言え、「ふわっとした」回答(小寺(c))という表現通り、日本ユニセフ協会側の見解・説明は私たちの質問に明確に回答するものとは言えないと思います。

子どもを性的虐待から守り、性的商業的搾取被害を防止するという目的に異論はありませんが、インターネットユーザーにとって、日本ユニセフ協会からの提案は賛否を表明するに足る情報が提示されているとは言えませんでした。そこでMIAUは、インターネットユーザーに議論の基礎資料を提供すべく、日本ユニセフ協会宛てに「準児童ポルノ」に関する公開質問を本年3月18日に送付したのですが、現在も情報不足が続いています(ただし、その情報の一部は「マンガ論争勃発」さんが行った日本ユニセフ協会へのインタビューからうかがい知ることができます。貴重な参考資料です)。

ここで言う「情報」や「議論の基礎資料」とは、日本ユニセフ協会準児童ポルノ規制を求めるのは、性的商業的搾取被害を受ける児童を守るため(個人的法益のため)なのか、それとも健全な社会風俗を守るため(社会的法益のため)なのか、あるいはその両方なのか?とか、表現活動から生じる間接的(secondary)害悪を抑えることを狙いとした内容中立規制が、付随的(incidentally)に特定内容の表現活動を抑制するケースなのだとしたら、中間審査(準児童ポルノを閲覧することと現実に接触犯罪を犯すことに因果関係があると言えるのか、「準児童ポルノ」は行き過ぎた制限になっていないかなど)は適正なのか?などの論点についてです。

こうした疑問は、今回の「見解・説明」では曖昧なままです。少なくとも私には読み取れませんでした。このままでは生産的な議論や提案ができないばかりか、賛成・反対の判断も難しいでしょう(現状分析は、中川さんの「osakana.factory - 児童ポルノ法の議論がかみ合わない訳」に詳しい)。

前述したように、日本ユニセフ協会に法的な回答義務はありません。しかしキャンペーンを進め、署名を呼びかけている以上、準児童ポルノを規制する目的および根拠が曖昧なまま、そして、表現の自由を損なわないような判断基準を話し合わないまま活動を続けても良いものだろうかと私は思います*1


MIAUとしてどう対応していくか、協力会員SNSで議論した上で、水曜くらいに公表したい…のですが、先述したパブリックコメント作成の件もあるので、少し遅れるかもしれません。具体策は既にいくつか提案されていますが、吟味して実行に移すとなるとマンパワーが(恒常的に)不足しているもので。まだ目処が立っていません。


あと、各所で話題になっていますが、国会議員に準児童ポルノに該当すると思しき画像を添付してメール送るのは逆効果になり、ロビー活動に響く場合があるので注意してください。

規制推進派の嫌がらせなのではという説もあるようですが、ありうる話なのではないかと思います。気が急いていると、誤爆したり*2、意図せず相手の自尊心を踏みにじっている場合があり、伝わるものも伝わらなくなってしまうときがあります。冷静に、丁寧に、相手の心の動きを考慮に入れつつ、様式を整えた行動をとると、より効果的だと思います。

シークレット?

月曜日には、上記以外のプロジェクトから報告できることがあると思います。皆様の目に触れないところで少しずつではありますが、いろいろと奔走しているので、気長に見守っていただければと思います。

*1:もちろん、単純所持に関しても違法性阻却事由や責任阻却事由の検討について同じことが当てはまるだろう。また、文化庁パブコメを「煽った」ところもあるMIAUの中の人が言えることではないという批判もありそうなところだが、そういう批判を踏まえた上で現在MIAUは行動しているとも言えると思う

*2:女の私にロリコンだろとか言われても…ショタと言われるならまだ理解はできますが…。でもある意味、この問題が男女二項対立であるというステレオタイプを写している気もする