著作権保護期間延長

近況

久々の更新です。
後期も折り返し地点で、レポートの波が押し寄せ
日々おぼれかけてました。
なのでmixiに日記は書けても、こっちはなかなか・・・
でもあとはイスパのテストだけなので、
そろそろ半可思惟にも復帰します。
誰に期待されてるわけでもないけどね。

mixiのコミュニティ

さて、mixiにはウェブ上のサークルみたいな
コミュニティというシステムがあって、
そのなかのロージナ茶会に加入してみました。


そこは白田秀彰先生を首座として

インターネットと社会との関係について広汎な研究活動を行っている研究会……と言いたいが、実態はそういったネタについての茶飲み話をする会
mixiロージナ茶会、コミュニティの説明より)

が催されてるところです。*1

そんなわけで、Hotwired Japanに連載中の
白田秀彰の『インターネットの法と慣習』」最新版「著作権保護期間延長を擁護してみる」を紹介したいと思います。

著作権保護期間延長を擁護してみる

ご本人が

読者の皆さんはあまり知らないだろうけど、私は知的財産権法の研究者としては、かなり変わり者であり、「著作権の保護をあまり強くするとロクなことはないよ」という立場をとっている。

とおっしゃっているように、
白田先生は基本的に「なるべくFREEに!」って立場。
だから著作権保護期間延長を擁護するってからには
きっと深淵な理由があるのだろうな〜
と思って読んでました。

著作権保護期間延長

で、そもそもこの話題はどっからきているかっていうと
文化庁著作権の保護期間を
「創作者の生存期間+50年」から
「創作者の生存期間+70年」にする
法案を準備しているってとこからなんです。


そしてなんで延長するかって理由は
主に以下の3つらしい。

1  文化芸術の担い手である創作者の権利を保護し、新たな創造を促進すべきである。
2  「知的財産戦略の推進」を国策としている我が国は、著作権保護のあり方について国際間の調和を図るべきである。
3  我が国のコンテンツ創造サイクルの活性化と国際競争力の向上を図るべきである。
 以上の点から、著作権の保護期間を欧米と同等の「死後70年」に延長すべきである。
(孫引きだけど、もともとはこちらです)

こういう要望は、「文化芸術の担い手」である
21の団体*2から寄せられているそう。

私としては
おいおい、「文化芸術の担い手」って
ほんとにあなたたちだけなのか!?
(「担い手」たちのまとまった意見とみなしていいのか?)
というつっこみを入れたくなりますが
それはまあ、おいといて・・・

白田先生は、
「文化芸術の担い手」っていう大事なひとたちのために
守ってあげるっていうのは日本の文化保護行政の基本的な態度
だから黙って受け入れるのが当然
みたいなこと言い、さらに

権威に対して疑問を抱いたり、反対したりするようなことは、「和をもっと尊し」とする日本の伝統に対する挑戦そのものなのである。

と。





・・・ええ!? (゜д゜;)



こんなこと言うひとだったっけ?

著作権保護延長の理由

それでさらに読んでみると
1番目の理由は「権利を保護→新たな創造を促進」
だけど、保護って要するに著作者による支配権の強化だから*3
この論理が成立するには


「オレが作ったものはオレのもの」というレベルがUP
 ↓
「オレのものを見たり使ったりするときは
なんかよこせ(主に金)」というレベルがUP
 ↓
「オレのとこに入ってくる対価」がUP
 ↓
金に困らない
(「オレの経済的自由」がUP)
 ↓
自由がいっぱいだから
なんかまた創作意欲湧いてきた
 ↓
なんかまた作る


という流れが前提になってくる。

創作者により大きな経済的利益を保障すれば、より優れたより多くの創作が行われるのだ、という信念に立脚する立論をインセンティヴ論という。
(中略)
インセンティヴ論の主張にも関わらず、創作者における経済的自由の増大によって創作が増大するとする経済学的証明は存在しない。ただ、創作の「可能性」が増大するとは言えるだろう。

要するに
これって経済的自由が創作につながる証明ないと
成り立たないんじゃない?
ってこと。


それに、作り手が少数で限られてるならこれでいいけど
「わあ!こんな作品あるんだー。
でも、私だったらこの作品をもっと発展させて
違うの作るけどなあ」
っていう、新しく始める人のことをあまり考えてない。
つまり

こうした論理においては、他者の作品に依拠せずに創作を達成するという難行を成し遂げた著作者は、その後、創作についてより多くの自由領域を獲得し、そこに創造的な要素を次々に追加して、更なる創作を心置きなく展開していくという姿が予定されている。西洋近代が予定している、「自由な精神による万人による創作」という状態ではなく、伝統や技能や型(カタ)の継承という家元制度的創作の姿がうかがわれるが、その方が望ましい面があるのだろう。

おーう。
なんだか封建社会っぽいね。


ところで、企業も著作権がもてる。


あーでも長くなってしまったので、また明日。

*1:でもまだ茶会に行ったことない

*2:ただし社団法人電子情報技術産業協会知財系BLOG運営者会議は延長に反対

*3:「通常の場合、ここでいう権利とは著作権法第17条から第28条までに列挙される諸権利を指していると考えられる。それらは、いずれも著作者に対して、自らの創作物に対する排他的な、すなわち独占的な支配権を与えるものとなっている」からこう推論できる