第三回CCJPセミナー報告とレッシグ教授に許可をもらってきましたという話。

第三回CCJPセミナーに行ってきました。休憩が終わったところから途中参加だったのでレッシグ教授の講演とパネルディスカッションしか聞けませんでしたが、大変興味深く拝聴させていただきました。


レッシグ教授はCCの普及に触れつつコロンビアにおける事例を紹介し、CCはWeb2.0っぽいビジネスのプラットフォームやインフラストラクチャを提供でき、これによってread onlyなビジネスから脱却しやすくなるというようなことを仰っていたように思います*1
先に触れたコロンビアの事例とは、プロの歌手の方がCCMixterにボーカルのみのトラックを公開したところ、10以上のリミックス・バージョンがつくられたというもの。これはparticularなレコーディングではなかなか成しえないことです。音楽は"One 2 Many"から"Many 2 Many"へと変化を遂げつつあり、CCライセンスはこの変化を支えるということだそうです。
ヒップホップやジャズを示すまでもなく音楽にリミックスは必要不可欠な要素です。しかし法的なことを考えると、作り手はちょっとしたフランストレーションを抱えているというのが現状であると指摘した上で、レッシグ教授はコラボレーションを自由にできるようなインフラを整備したいと思っているというようなことを仰っていたのかと。
パネルディスカッションですが、こちらも豊富な事例紹介という感じでした。

それで、レッシグ教授にお会いできました。わーい*2。 八田さんに二階建て制度について解説するように言われてたんですけど全然できませんでした。すみませんです、はい。誰か英語の概説を作成して世界に向けて紹介してください。


さて緊張と語学力の低さで拙い会話しかできず、ちゃんと伝わってるかわからないですが、というかこんな英会話できない奴に許可出して良いのか!?とも思ったけれど、まあ取ったもの勝ち、言質はいただいたので訳出来たら順次公開したいと思います"The New Chicago School"


でも許可はもらったけど新シカゴ学派に関する質問はできませんでした。
この論文の発表は1998年。8年経った今、レッシグ教授のなかでこの四規制力説の位置づけに何か変化はあったのかお尋ねしたいところです。また、法律・規範・市場・アーキテクチャという4つの規制権力が結集して秩序を形作っているという発想をしていますが、レッシグ教授は4つの規制権力のうち最も法が強力で別格上位*3という認識を取っていらっしゃいました。しかしアーキテクチャが別格上位であるというモデルの方を私はよく目にします。レッシグ教授はそうした考えをどう思われるのでしょうか。
以上の点に関してメール出して聞こうと思います*4。質問はこんな感じにしようと思います。校正、つっこみなどありましたらよろしく。

 I have two questions about this essay.
 Certain Japanese academic people tend to say that, based on your theory, architecture which is one of four constraints control everything direct and indirect. But you said in this essay law is the most effective and significant constraint.
 Which constraint is the most effective or important?
 And this four constraints model is still relevant?

というわけで学校は始まってしまうけれど、ぽちぽち翻訳していきたいと思います。
あ。全然関係ありませんが、ユーザー登録から本日までに日記をつけた日数が100日になりました。今後ともお引き立てのほどをよろしくお願いいたします。

*1:メモを取ったのにうろ覚え……

*2:最後に握手もしてもらいました。あはは。嬉しい。

*3:その他の規制権力に働きかけることができる

*4:でもお返事は来るでしょうか。