2006-01-01から1年間の記事一覧

ICCシンポジウム第1回の私的なまとめ(2)

昨日のエントリに引き続き、私的なまとめをしていきます。なおご承知のこととは思いますが、このまとめは私がシンポジウムを聞きながら取ったメモなどを元に作成したものです。よって発言者の発言や意図を必ずしも正確に反映しているわけではありません。 ま…

ICCシンポジウム第1回の私的なまとめ(1)

ICC renewal opening symposium「ネットワーク社会の文化と創造」第1回の「ネットワーク社会の文化と創造─開かれたコミュニケーションのために」に行ってきました。 情報ネットワークの時代において,芸術文化や科学技術を取り巻く社会・経済・環境システム…

英国議会、DRMの法的強制を批判する報告書を提出

著作権保護期間に関する提案に続き、英国がまた素晴らしい報告書を出したようです。詳しく知りたい方はreport into Digital Rights Management、概要で良い方はAPIG inquiry into Digital Rights ManagementまたはBoing Boingの記事をご覧下さい。 APIG(The…

「考える葦」を補助線に

パスカルの『パンセ (中公文庫)』は断章の集まりです。その断章をふたつに類別すると、人間観察から人間の悲惨さ*1を導出する断章とキリスト教に人間の偉大さ*2を見出す断章に大別できます。 そしてその中間に置かれるはずだったと考えられるのが有名な「考…

ハッカーとお金

mixiとはてなを取材した「カンブリア宮殿」を見たとき思ったことを今さら書いてみます。*1 近藤社長が「お金はごはんのようなもの。無ければ死ぬけど、いっぱいあっても全部食べることはできない」と言っていたのが番組中でかなり注目され取り上げられていま…

夜と霧と自由

夜と霧 新版作者: ヴィクトール・E・フランクル,池田香代子出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2002/11/06メディア: 単行本購入: 48人 クリック: 398回この商品を含むブログ (369件) を見る『夜と霧 新版』はヴィクトール・フランクルが書いた本で、世界各…

去年の今頃考えていたNHK民営化論

2005年6月16日に書いたNHK民営化論を。 NHK NHK、日本放送協会は公共事業体の一種だ。1950年放送法による特殊法人として発足し、ラジオを3波とテレビを5波所有している。事業体としては日本銀行などと同じで、公共の利益のために設置され、私企業に期待で…

意外と知らなかったこと-間接民主制は直接民主制の代用ではない

愚かにも『インターネットは民主主義の敵か』を読んで初めて知ったのですが、 米国憲法は本来ならば直接民主主義を理想にするものであったが、情報通信技術が現代の水準でいえば極めて原始的な段階であったために実現不可能だったので共和制に落ち着いた、と…

「Wikipedia神話」はなぜ神話たりえたのか?

The death of WikipediaそれからNow, let's bury the mythに関連して。*1 id:cedさんから 公開性(openness)があったかどうかなんて問題の大きさからすれば氷山の一角でしかない。Wikipediaは集合知、或いはより一般的な言葉で言えば群集の知恵(wisdom of the…

『バックラッシュ!』

双風舎さんから2006年6月に発売される予定の『バックラッシュ!〜なぜジェンダーフリーは叩かれたのか〜』のキャンペーンブログ。密かに開設当初から注目していましたが、今すごく面白い企画をやっているので、ご紹介します。 まずはプレゼント企画。 …

タブーに関する一考察

タブーは民俗学的術語です。インセスト・タブー(近親相姦の禁忌)のように使われ、「超自然的なもの*1によって決められた社会的禁止行為」が本来の意味です。レヴィ・ストロースは著書『親族の基本構造』でこのインセスト・タブーの問題に挑み「婚姻交換」…

『リナックスの革命』の私的なまとめ

リナックスの革命 ― ハッカー倫理とネット社会の精神作者: ペッカヒマネン,リーナストーバルズ,マニュエルカステル,安原和見,山形浩生出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2001/05/26メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 102回この商品を含むブログ (33件…

ICPC

今日は情報通信政策研究会議(ICPC: Information and Communications Policy Conference)に行ってきました。 会議内容はオフレコなので詳しくは書けませんが、プログラムは以下のような感じです。 【デジタルデバイド・セッション】 近藤勝則 「未定(ユニ…

folksonomyを懐疑する

はてなブックマークにみられるようなフォルクソノミーは、現在とても活況で便利です。沢山の人が参加しはじめて、出てくるサイトの量も多くなっています。web2.0でも注目されていますし。集合知の勝利みたいなところがあって大変面白いし、結構期待していま…

世間の中心に対抗する方法

成城トランスカレッジ!―人文系NEWS & COLUMN―:『家族の痕跡』読書会チャット報告にて、「オオヤケ」と「Public」の差異という観点から興味深い考察がされています。*1 素晴らしい解説や考察もされているのでアンカテ(Uncategorizable Blog):「オオヤケ」的…

消費される速度

さて一気にPVが伸びたのは、もちろん例のエントリーのおかげなわけです。なのでこの機会に少しだけあの実験の説明をしたいと思います。 結論から言うと「涼宮ハルヒは民主主義の敵か?」は、b:id:REVさんの鋭いご指摘の通り*1 釣りタイトルと偽タグで誤配の…

まいど

ページビューが20000を超えました。 効果基準として懐疑が出てるとは言え、やっぱり嬉しいです。 ありがとうございます。

新解さんとバージョン管理

ご存知の方も多いかもしれませんが、意外と知られていないようなので紹介してみます。いろんな意味で熱い辞書「新解さん(新明解国語辞典 第6版 小型版)」です。 その実力をご存知ない方のために、新解さん的には定番とも言える【恋愛】の項をご紹介しまし…

Re*

授業でレポートを書いたので、再利用。 設問 「日本は国際社会においてどのような国家戦略をもつべきか?」についてディスカッションした上で どのような国際秩序がなぜ日本にとって望ましいのか? その国際秩序形成のために日本はどのような外交および内政…

our best of the worst

404 Blog Not Found:「若者殺しの時代からの逃走と闘争」とアンカテ(Uncategorizable Blog):「80年代にバブルに窒息して死にそうに苦しかった私を救ったのはsmalltalk」、それから昨日茶会で聞いたことをからめて。 近代国家に必要とされるものは2つあります…

英国議会、著作権保護期間延長を提案

id:cedさん経由で知ったのですが、英国議会で著作権保護期間延長を著作権者が望んだ場合のみ行うという提案がなされたそうです。 So the British are considering extending the terms of copyrights for recordings from the current term of 50 years to 9…

涼宮ハルヒは民主主義の敵か?

茶会の人たちとSkypeで喋ってたことをまとめてみました。 次回の茶会では、こういったこととかを話す予定。 データベースとサーチエンジン データベースが無限にあるといっても、所詮私たちは、サーチエンジンという窓を通して情報を得ることしかできません…

DREとDRM

cedさんにご紹介いただいたLessigの記事 http://www.lessig.org/blog/archives/001067.shtml これの一部を適当に訳してみました。はっきり言ってかなり超訳。でもまあ大意はつかめるかと。*1 Docがパブリックドメインへのコンテンツの寄進を推進させるための…

ユビキタスと私的利用

id:cedさん*1のところのubiquitous Creative Commons - cultivating the field of private useという記事について。 全ては「リーチ(reach)」の問題だと考えている。インターネット登場以前は、著作権法は個々人が著作物を私的利用する領域に「リーチ」する…

ライセンスと契約について―つづき

「ライセンスって契約なの?」 前回、導入と結論だけ書いてみましたが、今回は鄯)ライセンスは契約と言っていいのか(技術的疑問)についてcedさんの素晴らしい解説などを引用しつつまとめていきたいと思います。*1私は ライセンシーの契約受諾に関する意思…

まいど

どうもありがとうございます。 10000超えてちょっと嬉しいです。

ライセンスと契約について

id:cedさんよりmixi上にてCCと契約について詳しく丁寧な解説とご意見を得ることができました!どうもありがとうございます。 というわけでCCJPシンポジウムまとめ③はしばらくおいておきまして、CCライセンスと契約について考えていきたいと思います。 疑問の…

CCJPシンポジウムまとめ②

今日から大学で授業がはじまりました。 債権法各論という講座で、嫌でも契約について学ぶので、その際に「ライセンスを契約と言い切って良いのかどうか?」について改めて考えていきたいと思います。 それでは昨晩公開したまとめ①に続いてまとめ②です。

CCJPシンポジウムまとめ①

今さら感は否めませんが、一応自分用のメモということで・・・3月27日に開催されたCCJPシンポジウムについてまとめておこうと思います。 とりあえず既に報道されてる記事にリンク↓ http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2006/03/27/11392.html http:/…

久々更新

諸事情により本当に久々の更新となりました。 新年度に入ってやっと落ち着いてきたので再開したいと思います。 また本当に遅くなりましたが、大茶会参加者の皆様におかれましては、お忙しいところ足をお運びいただきまして誠にありがとうございました。大茶…